論文を書くにあたっての注意事項

とにかく「執筆・投稿の手びき」に従ってください

完全に「心理学研究」と同じ体裁にするわけではありませんが、ほとんどの書式は「手びき」に従ってください。従って、執筆前には必ず「手びき」を入手して目を通しておいてしてください。また、「手びき」の中のどの部分に従うべきかを中級論文・卒業論文の執筆にあたって〜「執筆・投稿の手びき」の活用法 〜で解説していますので、手びきと合わせて参照しながら執筆してください。

先輩の論文は修士・卒業・中級の如何に関らず、体裁については何も参考にしてはいけません

内容を参考にするのは構いませんが、体裁をマネするのはダメです。今までに体裁が完璧に整った論文はまず見たことがありません。その中から何をマネしたところで、体裁がちゃんとした論文が書けるわけがありませんね。
数年前に「手びきに従うこと」と定める前は、今と全く違う体裁をとっていました。最近になるまで、この古い体裁をマネしつづけている人もいます。いいかげん今の体裁に統一したいので、過去の論文はいつの誰のものでも参考にしないでください。
卒業論文を書く場合、たとえ内容が中級論文の続きであっても、体裁の点では自分の中級論文を参考にしてはいけません。何度論文を書くことになっても、毎回手びきに従ってください。

Microsoft Wordを使って書く場合、ページ設定で「文字数と行数を指定する」や「原稿用紙の設定にする」のような指定をしないでください。

文字間が開いていると読みづらくなるだけです。また、数値・英単語などを文中に入れるときにも非常に醜くなります。そもそもWordは「英語ワープロソフト」を日本語にむりやり対応させたものですから、横方向の文字数を美しく制御するのは苦手というより無理です。
縦方向(行送り)は適宜あけてください。改行幅が1.5〜2行くらいならいいでしょう。見やすくさえなれば、厳密にいくつにしなければいけないということはありません。

図・表

基本的に白黒だけで読み取れるように書いてください。皆さんが先輩の論文を参考にするためにコピーをとろうと思ったとき、カラーコピーはとりませんよね?ならば、自分も後輩がコピーをとるときに困らないよう、白黒で作ってあげるのが親切です。
図の中に灰色・水色・黄色などの薄い色を使わないようにしてください。これも後々コピーをとる人のためです。

統計

統計値の書式、その結果の文章表現をしっかりとしてください。どのデータに対してどんな検定を行ったのか、統計値はいくつで有意確率はいくつなのか(もちろん自由度もお忘れ・お間違えなく)、そしてその統計結果は文章で表現するとどういうことになるのか…表現を参考にするなら先輩の論文ではなく、公刊論文です(「心理学研究」など)。しかも、複数の論文の記述を参考に、自分が読んでみて一番わかりやすかったものを参考にしてください。

引用

初級実験のレポートから既に何度も指摘していることですが、引用は「本文中の引用」と「文献リスト」の両方が正しい書式で漏れることなく整っていなければなりません。これまた書式は手びき・公刊論文を参考にしてください。斜体・太字などの設定は、公刊論文で印刷される状態と同じように整えてください。

字体

アルファベット・数字・記号には同じ文字に異なるデータ表現、いわゆる「全角」「半角」があります。これを混在させると醜くなりますので、基本的に「『半角』で書けるものはすべて『半角』にする」という原則を守ってください。別の言い方をすると、「キーボードのキーに印字されている記号は、すべて日本語変換をオフにした状態で入力する」ということです。ただし、一部の記号は、場合によって「全角」の方がいいこともあります。

空白の使い方

引用文献などの表記の際に、カンマ「 , 」の後ろやアンパサンド「 & 」の手前および後ろ、開きカッコ記号「 ( 」の手前、閉じカッコ記号「 ) 」 の後ろなどに適切にスペースを入れてください。これも日本語入力がオフの状態で入力してください。Mateeff, Yakimoff, Hohnsbein, Ehrenstein, Bohdanecky & Radil (1991)のように著者が多くて表記が長くなる引用をMateeff,Yakimoff,Hohnsbein,Ehrenstein,Bohdanecky&Radil(1991)のようにくっつけてしまうと、ワープロソフトには全体が1単語に解釈されてしまうので、禁則処理(単語の途中で改行しない)が働いて、酷い見てくれになってしまいます。もちろん、引用文献リスト中の論文題目・雑誌名・巻号・ページなどの表記にも同様に適切にスペースを入れてください。