右図で灰色で示した位置にある平行四辺形は,右図でも左図でもすべて物理的には同じ明るさである.しかしながら,左図においては右側の平行四辺形がより暗く,左側の平行四辺形がより明るく知覚される.これは,表面の反射率と陰影の処理に基づく錯視現象である.奥行は感じられても陰影について一貫した情報がない右図ではこのような錯視現象は生じない.また,画面中の明るさの違いが陰影として知覚され難いような図の観察では,錯視量は減少する.
同様の錯視現象は色がついていても生じる.
参考:
Adelson, E. H. (1993). Perceptual organization
and the judgment of brightness. Science, 262, 2042-2044.